2014/12/20のあそび工房でおもちゃクリニックが開院しました。治療を担当するドクターはあそび工房スタッフの秋田勉さん。
秋田さんは仕事を退職後、4年ほど前からアクアマリンふくしまでボランティアスタッフとして釣りの援助やタッチプール、バックヤードの説明、催事のお手伝いなどをされていました。
そんな時にアリオスペーパーを見てあそび工房のことを知り、子どもと遊ぶのが好きなのであそび工房にもスタッフとして参加することにしたそうです。
そんな時にアリオスペーパーを見てあそび工房のことを知り、子どもと遊ぶのが好きなのであそび工房にもスタッフとして参加することにしたそうです。
9月のあそび工房ではおもちゃの磨き工房を担当した秋田さん |
秋田さんがあそび工房でおもちゃクリニックをやりたいと思ったきっかけについて詳しくはキッズ★アリペ29号のコラムに掲載してあります。
話は4年ほど前、愛知県岡崎市に住んでいるお孫さんに会いに行ったとき、開口一番、大事にしている仮面ライダー変身ベルトのメモリーの修理を頼まれたことから始まります。以前からおもちゃ病院をつくりたいと考えていた秋田さん。メモリーの修理が完了した時のお孫さんの喜ぶ姿を見て一層その思いが強くなり、おもちゃ病院について調べました。そこで郡山のおもちゃ病院が設立準備中だと知り、去年開院したばかりの郡山のおもちゃ病院まで足を運んで見学してきました。
そんな中で、あそび工房にスタッフとして参加するなかで「あそび工房でならおもちゃクリニックができるのではないか」と思い、12月20日に開院することになりました。
郡山のおもちゃ病院 その1(秋田さん撮影) |
郡山のおもちゃ病院 その2(秋田さん撮影) |
私、山田もあそび工房当日は中学生スタッフののりちゃんと一緒に秋田さんのお手伝いをするため、おもちゃクリニックに入りました。秋田さんも私ものりちゃんもどんな展開になるのだろうかと不安な気持ちと楽しみな気持ちが入り交じってドキドキしていました。
当日、受診したおもちゃは7点。そのうち治療が完了したおもちゃは3点。柄の部分がとれてしまったので引っかける部分をつけて欲しいというフライパン、ブランコの手すりの部分がとれてしまって、今までいろんな接着剤をつけてみてもどれもダメだったものや、特定の音が出ないキーボードは即日治療が完了しました。
秋田さんの治療を横で見ていて思ったのは、おもちゃの状況をお客さんに聞きながらじっくり観察して、じゃあどんな風に治療すればいいのかパッとひらめくようで、これも一種のセンスなんだろうと思いました。
たとえば、ブランコの手すりがとれてしまっていろんな接着剤を試みたというパターン。接着剤を使ってもう一度とれてしまった部分を接着しようとするのかと思ったら、全く別の発想で治療しました。何と小さい穴を開けて下から細い針金を通し、とれてしまった部分の上下を固定したのです。まさに“押してダメなら引いてみろ”発想の転換なんですね。秋田さんは仕事柄もあって昔からいろいろなものを作ったり壊したりすることが好きだったそうで、そういった経験が活きているのかもしれません。
そういえばひとつ上の私の兄も、小さな頃は「壊し屋」さんでした。買ってもらったスポーツカーのおもちゃや高価な望遠鏡など後で元通りにするつもりで分解して、でも結局復元することができなくて処分する羽目になったものが沢山ありました。一番下の弟もやっぱり組み立てたり分解するのが得意で、高校時代に友達の壊れたパソコンを修理したら、友達のお母さんから高級牛肉をいただいて家族みんなで大喜びしたこともありました。そういった経験が秋田さんのように将来活きてくるのかもしれません。
秋田さんが治療しているとあそび工房スタッフの古川さんがやってきました。古川さんも娘さんのおもちゃをよく修理していたそうで、娘さんのおもちゃを修理していたときのことを話してくれました。そしておもちゃ病院に運ばれてきたおもちゃ達を見ながら「このおもちゃは大事にされてきたんだね」と。確かに、おもちゃに貼ってあるシールはきっとお気に入りのおもちゃだからだろうし、ファストフードやファストファッションのようにファスト化され、おもちゃも安いものが手に入るようになって壊れたら捨てて新しいものをすぐに買うような時代に、古くなっても壊れても捨てずにおもちゃ病院を見つけて持ってきてくれたこと自体が、そのおもちゃに愛着があり、大事にしているということだなと。
特定の音が出なかったキーボードは蓋を開けて清掃しただけで音が出るようになりました。中には部品が壊れてしまっているものもありますが、こういったお掃除だけでも症状が改善するおもちゃも多いそうです。
秋田さんの治療の様子を見ていたら、その手先の器用さから私の父のことを思い出しました。兄は壊し屋さんでしたが父は修理屋さんでした。家にあるいろいろなものを修理したり、台所などのちょっとしたところでも工夫をして母が家事をしやすくしてくれて、その技は今でも健在です。私が小さかった頃は竹を切ってきて水鉄砲を作ってくれたり、キャンプに行ったら竹を細く削ってキレイな菜箸を作ってくれました。もちろん、火を起こすのも上手でした。小学校の夏休みの自由研究で兄の宿題を手伝って、空き缶を使ったネオンサインをつくったこともありました。空き缶を回すと電気がついてネオンサインが光り出す、そんな装置を作ったのですが、あまりにも立派すぎてどう見ても小学生が作ったようには見えない、そんな作品でした。
おもちゃクリニック、無事に治療が完了したものもあり、治療が完了したおもちゃを受け取って帰るときの子ども達がとても嬉しそうに「バイバイ」と手を振ってくれたり、「治りましたよ」と言われて大喜びするお母さんの顔を見て、おもちゃクリニックがあそび工房で開院できて本当によかったなと思いました。
4点は部品がなかったり時間がかかりそうなものだったので入院してもらいました。秋田さんの治療により、次回1月10日のあそび工房で退院します。
おうちにある壊れたおもちゃがあったらぜひあそび工房へ持ってきて下さい。中には治療ができないものもありますが、一度診察を受けてみませんか。
また、おもちゃもドクターの秋田さんが治療するだけでなく、簡単な治療であれば子ども達と一緒に治療したいし、やがてはおもちゃの治療を子ども達自身ができるようになったらいいな、と考えています。おじいちゃん、おばあちゃんに買ってもらったおもちゃを大事に使って、壊れてしまってもすぐに捨てないで修理して使うようになってくれたら。それが“あそび工房 おもちゃクリニック”の一番の願いです。
1/10に退院予定のおもちゃ達 |
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